ーー「懐玉・玉折」原作コミックや、シナリオを読まれたときの印象を教えてください。
安元：原作も読んでいましたので内容は把握していたんですけど、五条 悟という人間と、夏油 傑という人間がいて、どうやら昔は仲間だったというふんわりとしていたところを、しっかりと掘り下げてくれたエピソードだなと思いました。なぜ夏油がああなったのか、なぜ五条が今のような、本当の意味での強さを手に入れたのかがわかる、大切な話だと思っています。

ーーご自身が演じている孔 時雨について、その魅力とどのように演じていったのかを教えてください。
安元：演じる上で、まずはテストを聞いていただいて、そこで大幅に違っていればアニメスタッフより指摘してもらおうと思っていました。でも、あまりディレクションはなかったので、僕の中で考えていったもので、監督の考えに近いものができていたのかなと思います。僕自身が思った孔 時雨というのは、人間……普通の人ですね。この物語の登場人物の中では、数少ないただの人みたいな。でも、ハードコアな世界観なので、この中で生きるためにはある程度のしたたかさがないと、とてもじゃないけど生きていけないのかなと思いました。生きる上で飄々としていたいのか、掴みづらいところが彼にはあると思ったので、そこは大事にしましたけど、基本的には人間臭く演じていました。

ーーアフレコの雰囲気はいかがでしたか？
安元：「一緒に録れました。メインキャラクターを演じる中村（悠一）さん、櫻井（孝宏）さんや、子安（武人）さんと一緒に録っていたんですけど、ブースの中はまったく殺伐としていることもなく、ずっと子安さんを囲んで話していましたね。分散収録のときから４人くらいで録っていたから、これと言って変わったところもないんですけど、久しぶりに子安さんと一緒になれたので、楽しかったです。

ーーTVアニメ『呪術廻戦』の魅力はどこにあると思いますか？
安元：原作をとても大切にしている印象があります。週刊連載なので、ドラマチックなことが起こり続けるという、とてもカロリーが高い作品なんですけど、それをしっかりアニメに落とし込んでいるなというのと、何より絵がきれいですよね。これだけのものをずっと描き続けているスタッフさんは、マジですごいと思います。

ーー好きなキャラクターや、気になるキャラクターはいますか？
安元：自分が一番関わるというところでは、子安武人さんが演じる伏黒甚爾ですね。ちゃんと強いし、人としてクズでしたね（笑）。でも、ただクズなのではなく、何でクズなのかというのもお話としてあるし、伏黒という部分に関する話も少し出てくるし、最終的には切なさが残るいいキャラクターだったと思います。

ーー放送へ向けての意気込みと視聴者へのメッセージをお願いします。
安元：アニメ『呪術廻戦』を、スタッフの皆さんがしっかりと丁寧に作ってくださっています。その中で「懐玉・玉折」は短いですけど、孔 時雨役として携わらせていただけて、僕自身もすごく嬉しいです。 皆さんが僕の感じた嬉しさよりももっとでかい嬉しさを感じてくださればいいなと思っていますので、楽しみに待っていてください。